家庭教育支援向けコラム: 2013年9月アーカイブ

   はじめに自己紹介をいたします。私は、AIEL言語・国際教育協会の構成員であり、岩出市で国語だけを指導する塾を主宰している井原 幸彦(いはら ゆきひこ)という者です。

このたび国語力やコミュニケーション能力をつけるうえで、ご家庭でできることをコラムの形で紹介させていただくことになりました。国語だけを指導する塾とはどのようなものかイメージしにくい方もいらっしゃるかもしれません。

そういう方は一度私の教室のウェブページをご覧いただきたく存じます。「和歌山 国語塾」「和歌山 いはら教室」などと検索をかけていただくと出てくると思います。

このコラムに書くことは、私が教室で生徒たちと接しながら感じていることや共に学んでいること、さまざまな先生方から教わったり本を読んだりしながら学んだこと、考えていることなどです。国語に興味をおもちの方やお子さんの国語力を高めたいと考えておられる方のご参考になれば幸いに存じます。

では、コラムを始めることにいたしましょう。 



 

さっそくですが、なんと第一回目から、国語力さらにはコミュニケーション力を高めるとっておきの方法をご紹介いたします。それは、



「はい!」


ということです。名前を呼ばれたとき、話しかけられたとき、しっかりとした声で「はい!」と返事をする。これがコミュニケーションの基本中の基本であり、最も重要な要素です。


 学力の高い子どもには3つの特徴があるといいます。



1.返事ができる

2.あいさつができる

3.椅子・靴をそろえられる



 この3つのできる子どもはほぼ間違いなく学力が高いのだそうです。(『どんな子だって「勉強ができる子」になれる!』向山洋一著 PHP出版)


私の教室でもやはりこの3つがしっかりできるお子さんは(100%とは申しませんが)学力が高いと感じます。


しかし、これをいつでもどこでも3つともできる人は、子どものみならず大人でも少ないのです。例えば、病院の待合室、順番が回ってきて名前を呼ばれたときにしっかりした声で「はい!」と返事している人はどれくらいいますか? と、考えてみれば、私も含めて大人だって常にこれができているとは言い難いでしょう。


こんな基本的なこともできないし、子どもに教えられてもいないのに、国語教育だ、外国語教育だ、と先走ったことを言っているからコミュニケーション能力どころか基本的学力も育たないのではなかろうか・・・? と、国語を教える身でありながら私は思ったりします。




 

 なぜ、これがコミュニケーションの基本であるのか・・・私はこう考えます。


コミュニケーションとは簡単に言えば、意志の疎通をはかることです。意志の疎通をはかるために必要なものはなにか? ことば? 文字? ジェスチャー? もちろんテレパシーなんてものがない限りこれらは必要です。


でも、その前になくてはならないもの・・・・・・。それは『他者』の存在です。


相手がいないのに、コミュニケーションなど成立のしようがありません。だとすると、今、相手が自分に対して話しかけている、あいさつをしている、そのときに返事やあいさつをしないとはどういうことでしょう? 


それは他者の存在を認めていないということです。(自分にはそのつもりはなくても)返事やあいさつができないというのは他者に対して心も身体も開かれていない、意思疎通の窓口が閉じているという状態です。


言い換えれば、これは「あなたとは話すことは何もない!」と言っているのと同じことです。コミュニケーションとはなによりも他者の存在を認めることです。




 

 「はい!」、「いいえ!」、「こんにちは」、「さようなら」・・・しっかりとした返事やあいさつのできる子どもには誰だって話しかけたくなります。そんな子どもは自然とさまざまな年代やさまざまな分野の人と会話し、多くのことばに触れる機会を得ます。文字からだけでなく、耳からたくさんのことばを聴くというのは国語力が育つうえでも非常に大切なことです。


コミュニケーション能力というと、発信力をイメージすることが多いように思いますが、受信力にももっと着目すべきだと私は考えています。





 話しかけても首だけコクン、あいさつしても横向いて小さな声で申し訳程度の声を出す、こんな大人も子どもも少なくありません。コミュニケーション能力を高めたいなら、まずご家庭内の返事とあいさつから始めてはどうでしょうか。


声に出さなくても気持ちの通じ合う家族だからこそ、むしろしっかりと声に出して互いの存在を認め合うことを大切すべきではないでしょうか。


「そうは思うけど、なかなかねぇ・・・」とお思いのお母様方、これができるようになれば学力が育つのだから、塾など通わせなくても済むかもしれません。教育費も節約できるかも・・・? (あ~、こうしてまた私は経営を苦しくしていく・・・・・・)


「ご飯ですよぉ~」と呼びかけても、まともに返事もしないような子どもに(だんなに(笑))、飯など食わすな!! と言いたいところですが、「返事しなさい!」「あいさつしなさい!」はNG! 


こうした命令語は、一方通行のことばですから、そもそも互いの存在を認め合うために返事やあいさつをしようという趣旨にそいません。


こういう命令語をくり返していると子どもは親のことばを聞き流すだけになり、それでは開かれた心や身体を育てるどころか、意思疎通の窓口を閉じた子どもになりかねません。

 

では、どう言えばいいか?というのは、子どもの性格にもよるでしょうし、状況にもより一概には言いにくいのですが、命令語を使わない方法としては、ことばを使わず耳に手をあてて「聞こえないよ」というポーズをとったり、声を出さずに「はい!」と口だけを動かして、返事をすることを促がすというやり方はどうでしょう。


しかし、なによりもまず親がお手本となって実践するのが一番です。夫婦の間や外で人と接するときなどに意識してしっかりとした返事やあいさつをしてみてはどうでしょうか。(すると、なんとあなたの学力もあがる? かどうかは分かりませんが、少なくとも子どもは親の姿を見て学びます)

 




 私は、学力をつけるにはまず学力の土台作りから・・・と考えています。


そして土台というものは毎日の小さな積み重ねによって築かれるものですから、学校や塾よりも家庭が果たす役割がより大きいと考えます。


土台がしっかりしていれば、学校や塾で学んだことを着実に学力に変えていけます。


先を急ぐよりも「いろは」から始めてみませんか。





国語塾いはら教室主宰 井原 幸彦


公式】国語塾いはら教室ウェブサイト


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